2018年5月31日大阪府庁にて、松井一郎・大阪府知事へ大阪万博誘致についてのインタビューを行いました。
2025年、活気溢れる日本へ。
①2025年に万博誘致が決定した際に、大阪はどのような「オモシロイ(魅力的な)都市」 に発展するとお考えですか?
松井知事:日本が誘致を目指している2025年万博のテーマは、『いのち輝く未来社会のデザイン』。 簡単に言うと「全国民の10歳若返りを目指そう」ということです。
日本は超高齢化社会で、世界一の長寿命国と言われています。 国民が自立していきいきと生活を送れる 期間である”健康寿命”を伸ばして、実年齢よりも心と身体が10歳若く生きられる社会を実現させて、2025年にはどの年代層の人も活気があり、アグレッシブで健康な人生を楽しんでいる。
そういう大阪、そして日本にしていくべきだと考えています。
②弊社は「エンタメ、世のため、人のため」を企業理念に掲げて、あらゆるエンタテインメントを事業展開しています。
松井知事はエンタテインメントの力が、人々にどのような影響(活力)を与えるとお考えですか?
松井知事:生きる力を与えると思っています。
例えば、今、大阪国際がんセンターで吉本興業さんなどの協力を得て様々なエンタテインメントを患者さんに見てもらう活動を行なっています。現段階ではまだ実験中ですが、多くのドクターや専門家の方から、患者さんが笑顔になることで、免疫力が高まり生きる力が拡大されるという要素があるのではないかという意見も出ています。
このように、我々もエンタテインメントの力を活用しています。
エンタテインメントは生きる力を伸ばしていける可能性がある、そういうツールだと思っています。
③弊社は 2025 年にもし万博が誘致できなくても、民間で万博規模のイベント「CRAZY EXPO」を大阪で開催しようと考えています。いい意味で ”CRAZY(元気)な”企業/個人 にメッセージをお願いします。
松井知事:ロシアもアゼルバイジャンも積極的に誘致活動を行なっています。
もちろん、大阪としても2025年万博の誘致実現に向けて全力を尽くしていますが、開催地は約170カ国が加盟するBIEの総会において投票により決定するため、結果はふたを開けてみないと分かりません。結果、今回は叶わないということになるかもしれません。
その場合でも、大阪の活力が失われたり、大阪の賑わいに影を落としたりということではなく、いのち輝く未来社会をめざして、皆さんが将来を向き、様々な取り組みが生まれ、豊かで活気のある大阪の街になって欲しいと思っています。若い人達も自分たちが主役だと思って、どんどん社会に参加して盛り上げていただきたいですね。
大阪府と大阪市の二元行政・二重行政が一因であると考えています。これまでは大阪といえば地方都市のひとつで、 とにかく経済も文化も情報も東京が中心で、東京だけが日本の核になっている、まさに東京一極集中の状況でした。
しかし、 この10年間で全国の中において「大阪も頑張っているよね」という雰囲気が出てきているのではと思っています。 大阪の経済も回復基調にあります。
そのためには 、大阪府庁と大阪市役所の壁をこえて、新しい役所作りをしなければなりません。現在は私と吉村市長が同じ方向を向いて大阪を前に進める仕事をしているので、府庁と市役所の考えがねじれることはありません。
ただ、これはあくまで人間関係によるもので、人が変われば「不幸せ」と揶揄される大阪に戻ってしまいます。賑やかな大阪を更に元気にしていくには、府庁と市役所を一本化する制度を確立させることが必要です。